受け継がれていくもの | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

学校吹奏楽部のサウンドって,先生が変わられてもずっと変わらないものがあると思いませんか。

受け継がれていくもの,ある気がします。

 

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 

 

ある小学校で…

 

何年か指導に行っていた,ある小学校…

ホルンの子が,ハイFをパーン!と吹いたのです。

(今の,ハイFだよなぁ…(・_・;)

それから,トランペットのパート練習,みんなで吹いているのを聴いていると,とっても気持ちがいい!

そりゃ,音程のことを言えば,ちょっと高い音とかはあるのだけれど,でも,

『そんなことどうだっていいじゃない!』って言いたくなるような,気持ちのいいサウンドなのです。

 

そんなふうだから,あるとき顧問の先生に訊きました。

「ぼく以外にも誰か指導にみえてるんですか?」と。

いえいえ福見先生だけです,と。

 

その学校では,ほとんど基礎的な話や技術的な話をしたことがありません。呼吸とか吹き方とか…

そりゃ,いろいろ吹いて聞かせることはありました。でも,たとえばアンブシュアの話なんてしてません。

その学校では,上級生が下級生の面倒を見る,パート練習を仕切る,

そういう伝統が,脈々と受け継がれていたのです。

パート練習など,ほとんどぼくが口を挟む必要がないくらいでした。

 

 

ところが…

 

 

伝統がくずれた時

 

ガタッと演奏がダメになった時があったのです。

下級生は全然上達しない,合奏の音も,全然バラバラ…

その年は,上級生は下級生を全然見ていなくて,パート練習も機能していませんでした。

ほくがたまーに行くだけでは,どうにもならない…

だからまず,そのときは意識改革しました。

 

 

音が寄る,寄らない

 

別の,こちらは高校の吹奏楽部。

ある年の,コンクール前。

トロンボーンのコラールが,全然ハーモニーしないのです。

ピッチとか,バランスとか,そういう問題ではないのです。音が寄らない!

その年のパートリーダーは,全然パート練習を仕切らない子で,

だから,個々がバラバラに練習してるだけ。

『しまった!』と思いました。が,後の祭りです。決して一朝一夕にできるものじゃない。

その年は,ひとりひとりは吹ける子がいるのにもかかわらず,バンドの音はばらばらでした。

個々の技量と,バンドとしてのサウンドは別物なんだと,そのときとても実感したのでした。

 

 

一緒に音を出せ!

 

それから次のパートリーダーに伝えたこと…

『とにかく,一緒に音を出せ』と。

ロンクートーンからハーモニーから,とにかくパートで輪になって一緒にやれ,と。

 

その年は新入生が初心者ばかりで,とてもパート練習どころじゃないような状況でしたが,

それでも一緒に音を出せ! と。


その年の合奏は,ひとりひとりは拙いところは多かったですが,でも,

ちゃんとセクションとしてのサウンドがするのです。ハーモニーが聞こえる!

 

その年のコンクールが終わって言いましたよ。

「君たちのやってきたことは,決して間違ってない。ほんとうによくやった!」

バンドをひとつの楽器にたとえるならば,とても上質な楽器になったのです。

 

 

 

受け継がれていくもの

 

このやり方が,決して唯一の正解ではないでしょう。

なかには,パート練習がないバンドだってあります。

でも,ひとつ言えることは,個々の技量とセクションや合奏のサウンドは,決してイコールじゃない。

そして,先輩から後輩へ脈々と受け継がれていくものは,

かくも絶大なものなのだ,ということ。

それにくらべたら,たまーに行くだけの外部講師ができることなど,微々たるものなのです。

 

バンドって,人と人とのつながりでできているのです。

それは,とてつもなく大きなものだと思うのです。