呼吸法の指導で,未だに時々,
「おなかに息を吸いなさい」っていうのを聞きます。
おなかに息は入りません!!
息は,肺に入ります。
肺は,胸郭にあります。
正確な位置,形,大きさ,調べてみてください。
で,胸郭が広がって,胸腔と腹腔を隔てる横隔膜という筋肉が下がることでおなかの内臓が押されて,それでお腹もふくらむわけです。
お腹に息が入るわけではないんですよね。
この違い,じつは大きいんです!!
お腹に息を入れるようなイメージで呼吸したら,うまくいった…
たとえそうだったとしても,それは上に書いたように,
横隔膜が下がってお腹の内臓を押したからお腹がふくらんだんです。
それなのに,「おなかに息を吸って」なんて伝えたら…
また,その言葉がひとり歩きしたら…
上体をガシッと固めて,苦しそうに一生懸命お腹を動かそうとして
力んでしまう子だって,いるんですよ!!
『おなかに息を…』なんてことを言うのは,もはや罪だと思うんです。
ぼくも学生の頃,おなかに息が入らなくて悩んだことがあります。
でも,まっ,いっか…,できないものはできないや(^o^)と思って…
こういういい加減な人間が得をすることも,あるんですね(^^;
もういちど書いておきます。
おなかには息は入りません。絶対に。
そして,胸郭は動いて大丈夫です。
どうか,動くことを許してあげてください。
金管楽器,マウスピースが厳密に左右のセンターに当たっている人,
じつは少ないと思うんですが…
あんまりセンターからずれていると,
「まんなかに当てたら良くなるのに…」
なんて言われてしまうことも,あるかもしれません。
でも,ちょっと待って!!
中には,まんなかに当てたらよくなる人も,いるかもしれません。
でも,骨格,歯並び,くちびるの形など,人それぞれ。
見た目のまんなかが,その人にとってベストとは,全然限りません。
これは,石膏で作ったぼくの歯の型です。
歯並び的にみて,マウスピースがフィットするのは右寄りなんです。
自分にとってのベスト位置は,見た目の真ん中とは全然限らない。
そして,見た目の真ん中にないことでの不都合は,ないわけです。
なにも問題ないんです。
なので,無責任に「真ん中にしたら…」なんて言わないで下さい。
それで迷子になっちゃう子だって,いるんです!!
長くなるので詳しくは書きませんが,ほかにも…
「背筋をのばして」とか,
「胸を張って」とか,
「おなかに力を入れて」なんてのはダメです!!
はっきり書きますが,ずばり,間違っています。
言葉って,大切です。
その一言で,管楽器吹きとしてのその人を迷宮に迷い込ませる可能性だってあるんです。
そのせいで苦しんでいる子だって,たくさんいるんです。
どうか無責任なことは言わないで下さいね。
特に今はネットが発達しているんで,言葉だけがひとり歩きすることが多くなっています。
まじめな子たちは,そんな言葉を鵜呑みにしてしまいます。
どうか気をつけて下さい。


