微風には微動で応ふ冬芒

「方円」2023年2月号円象集掲載。

芒は秋の季語。しかし「冬芒」「枯れ芒」「枯尾花」と、「冬」や「枯」を付けることにより、冬の枯れた芒を表し、冬の季語となる。花穂を付けたばかりの秋の花芒も絵になるが、この時期の裏寂れた感じの芒も、また趣がある。冬の良く晴れた日、道端に芒が生えている。寒風が吹けば勢いよく、人が通って微風を起こせば微風に従いゆっくりと揺れる。風の強さによって反応を変える芒。自然に抗わずにそこにいる姿に感銘を覚えて詠んだ句。

ほかの植物も、強風が吹けば強く揺れ、微風が吹けばゆっくり揺れる。至極当然の事。何故芒にだけ目が向いたのか。そこに群れになって生えていたという事もあるが、やはりその背の高さかもしれない。セイタカアワダチソウも背が高いが、芒は秋の七草に挙げられるなど、昔から日本人に親しまれてきた。なので、数ある冬の植物の中でも、日本人は芒に目を向けがちなのかもしれない。それはつまり「印象」の世界。人間でも、目立つ行動や言動を行った人は、それだけ注目される。そしてその人の一挙手一投足が注目される。慎重な行動を取ろうとしても、イメージが先行して、「この人ならこんなことを考えるだろう」「こんな風に動くだろう」と、実際に行っていないことまで想像されてしまう。とりわけ注目されているわけではない人も、どんなタイミングでそうなるかわからない。それを考えて、慎重に行動せねばならないと、最近特に思う。

(絵はAIによる創作です)

 

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