堕ち切つて白を失ふ滝の水

「方円」2006年10月号雑詠掲載。

滝は言わずと知れた夏の季語。8月は7日の立秋からは、暦の上では秋。それ以前はまだ夏。かなり今の時代と乖離しているようだが、一番暑い盛りに秋の句を詠む事になる。今回は8月の初めという事で、夏の句を紹介する。日本全国津々浦々、ありとあらゆるところに滝は存在するが、残念ながらこの句の舞台は忘れてしまった。しかし、規模の大きい滝だろうと想像はできる。滝の水は、落ちているときはその勢いで白くなっているが、滝つぼを経て、元の川になれば、再び静かな透明な水になる。そんな水の変幻自在な様子を、飾らない素直な表現で詠んだ句。

8月になり、学生は夏休み。街中に子どもたちの姿をよく目にする。楽しそうにはしゃぎまわる子ども、疲れて寝てしまう子ども、部活に精を出す中学生。疲れた表情で買える中学生。同じ一人の人間でも、喜怒哀楽、様々な表情を見せる。どれが本当の自分の姿という事は、本来ないはずだ。私は50を過ぎてからADHDとの診断が下った。言われてみれば、指示がある前に、前のめりで行動したことが早とちりだったりという事がよくあった。そして後で冷静になってから後悔する。頭を冷やす前の自分も後の自分も、どちらも自分。どちらかの自分を引っ込ませようとするのは、完全には無理なのかもしれない。せめて落ち着いた自分が、はやる自分に待ったをかけることが出来れば、発達障害でも十分生きられるだろう。8月3日は、第62回京都府吹奏楽コンクールの本番。落ち着いた自分が支配する本番でありたいものだ。

(絵はAIによる創作です)

 

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