あぢさゐの雨受けぬまま萎れけり
「方円」2019年9月号円象集掲載。
あじさいは梅雨時の代表格。6月、7月頃に好んで詠まれる季題でもある。そんなあじさいには厳しい梅雨の晴れ間や空梅雨。お天気続きですっかり萎れてしまったら、次に雨が降ってもなかなか元通りの鮮やかな色には戻らない。そんな中でも、あじさいは必死に生きて、存在感を示そうとする。そんな健気な様子を詠んだ句。
もう梅雨が明けてしまった。梅雨入り前後は激しい雨が降り、もう梅雨入りなのかと思ったが、それから暫く降らず、あっという間に明けてしまった。今年は琵琶湖の水位はどうなるのだろうという懸念がある。ご近所のあじさいも、まさに「雨受けぬまま萎れ」た状態。しかし花は動くことはできない。根を張った地で生き続けなければいけない。自然とはそんな生易しいものではないのだという現実を突きつけたと言ったところか。自由に動ける人間も、今目の前にある現実をしっかり受け止めて、誠実に生きなければと思う。
(絵はAIによる創作です)
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