蟇鳴くや根元の腐る丸木橋

「方円」2009年7月号雑詠掲載。

「蟇」とはヒキガエル。またはガマガエルの事。茶色っぽい大型の蛙で、動きが鈍く、いかにもグロテスク。30代後半に詠んだ句で、恥ずかしながら詠んだ場所、シチュエーションは覚えていない。大きい蛙の姿を見てヒキガエルと思ったのか、鳴き声を聞いたのかも、記憶があいまい。丸木橋は、恐らく向こうのあぜ道へ繋がる簡易な橋だろう。それが危なっかしく横たわっている傍で、カエルの鳴き声がする。その声をヒキガエルだと思ったのかもしれない。いずれにせよ、梅雨入り間近の湿った田園風景を思い起こさせる句。

今まで、ヒキガエルは低めのよく通る声で鳴いていると思っていた。ウシガエルほど低音ではないが、そんなイメージだった。しかし、ある動画でヒキガエルの声を聞いたところ、実にかわいらしい声だった。普段から聞いていたカエルの声は、どうもヌマガエルという別の種類らしい。しかし、見た目のグロテスクさとは縁遠い高音。普段からいかに見た目だけで印象を決めてしまっているかという事がよくわかる。動物だけでなく、初対面の人と会う時も、同じことが言えるかもしれない。気をつけねば。

(絵はAIによる創作です)

 

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