ががんぼに落ち着かぬ夜来たりけり

「雲の峰」2024年7月号青葉集掲載。

私はこんな趣味を楽しんでいる割に、虫が大の苦手だ。特にガガンボは一段と苦手な部類に入る。広い屋外で見る分には大丈夫なのだが、寝室で飛んでいると、それだけでもう落ち着かない。しかしこのガガンボという虫、体ばかり大きくて、足はひょろ長く、いかにも弱弱しい虫。壁や天井にぶつかりながら飛ぶ姿は、不器用を絵に描いたといった風情だ。明かりのついた室内に迷い込むと、もう出られない。狭い寝室で、窓や扉でも開くのを待つしかない。私は彼を見たら落ち着かないが、彼も落ち着かない夜を過ごすのかもしれない。そんな風に思えて詠んだ句。

以前にもお話したが、私はADHDで、人から指示をもらったら、最後まで聞かない間に理解したつもりで先に動いてしまう。休憩中も「ボーっとする」という概念がないわけではないが、落ち着かずにウロウロしてしまう。人から見れば、それら全てが無駄な動き。そんな行動を見て、この人は大丈夫かと思われてしまう。少し立ち止まって、深呼吸なり瞑想なりして、一呼吸置いてから動けばいいのだが、理屈でわかっていても動いてしまう。さながら夜の寝室のガガンボだ。しかし、よく観察すると、彼らも終始飛び回っているだけでなく、じっと壁や照明につかまって動かない時がある。意思をもってそこに留まり、意思を持って動いているという訳だ。私ももっと、「意思をもってじっとする」という時間を増やさねばならない。
(絵はAIによる創作です)

 

↓コチラも併せてご覧ください♪↓

コダマヒデキ~音楽と俳句の部屋~

 

俳句を始めませんか?

俳句結社「雲の峰」

 

ブログサークル
ブログにフォーカスしたコミュニティーサービス(SNS)。同じ趣味の仲間とつながろう!