鶯のよく歌ひよく休みをり
「方円」2020年7月号円象集掲載。
ウグイスも5月になればその歌声はベテラン級になる。盛んに鳴いている様子が、立夏が近づいても聞こえてくる。よく聞くと、終始鳴きっぱなしではなく、適度な感覚で鳴いては黙り、鳴いては黙りを繰り返している。鳴き続けているように聞こえるのは、あちこちで交互に鳴いているから。ほかのウグイスの声を聞き、それに呼応して鳴いている姿が「よく歌ひよく休み」という風に感じて詠んだ句。
この句を詠んだのは、例の感染症が猛威を振るっていた2020年。終始動きっぱなしだった人間が「立ち止まる」術を覚えて、社会生活が大きく変わった時期でもある。だからこそ、こういう光景が心に染みたのかもしれない。私はADHDで、休憩中や何もしていない時でも、じっと落ち着くというのが苦手な人。しかし、休むという事がいかに大切かという事は知っている。実を伴っていないのが現状なので、このウグイスのように、しっかりと歌ったらしっかりと黙るという姿勢を、今まで以上に心掛けたいものだ。
(絵はAIによる創作です)
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