穏やかな高石垣や雁渡し

 

「方円」2014年11月号清象集掲載。

「雁渡し」とは初秋から仲秋にかけて吹く北風の事。「青北風(あおぎた)」とも呼ばれるが、この頃に雁が渡って来る事から、この名が付けられた。もともと漁師によって使われた言葉で、この風が吹き出すと、潮も空も急に秋らしく澄み渡るという。そんな本格的な秋の空の下、立派な石垣がそびえている。この情景は覚えていないが、お城ではなく、恐らく斜面に建てられた農家か寺院か。戦いや防御のために作られたものではないと思われる。立派だが穏やかな光景と爽やかな風に秋を感じて詠んだ句。

今日、9月17日は仲秋の名月。この時期はもう少し涼しかったような気がするが、年々暑さが増している。ご近所の生垣などは、未だに百日紅が満開で、真夏の装い。夾竹桃まで咲いていた。一方、畦道にはそろそろ彼岸花が咲き始め、休耕田には土を痩せさせないために植えられたコスモスが咲き始めている。そして夜には虫も鳴く。徐々に夏と秋の境目がわからなくなっている。そう遠くない将来、日本の四季の様子が変わってしまうのではないか。そんな気がしてならない。俳句を楽しむ者としては、日常のちょっとした自然の変化を目ざとく見つけて、句として残しておきたい。

 

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