元句:はたはたの風に誘はれ発ちにけり

推敲後:風に誘はれはたはた発ちにけり

 

「雲の峰」2023年10月号青葉集掲載。

8月後半、よくバッタの句を詠む。休みの日によく歩く散歩道。田畑が広がる道に風が吹き抜ける。それを待っていたかのように、バッタがあちこちで飛び跳ねる。まだまだ残暑が続く季節ではあるが、こうしてバッタの飛ぶ様子を見ると、暑い中にも秋を感じる。確実に季節が変わっていく事を、ビジュアルで感じて詠んだ句。

今回は、「雲の峰」朝妻主宰の校正が入っての掲載。以前も触れたが、「の」の使い方が正しいか否か。文法的に正しく使われているかが、句の出来を左右する。歳時記の例句などを見ると、上五を「の」で締めくくっている句が多い。私は今まで、どちらかと言うと「少し弱めの切れ字」というイメージで「の」を使用していたが、「の」は基本的に格助詞、連体助詞。通常後ろに動詞は付かない。そこで「はたはた」を中七に持って行って、「の」を削除したのが校正後の句。字足らずではあるが、文法的には正しく、句の出来も見違えるものになっている。学生時代、あまり文法を重要視してこなかったが、短い日本語で端的に情景を思い浮かべさせる文学作品だからこそ、基礎をしっかり踏まえて作りたい。

 

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