端居して庭師の重き腰眺む

 

「雲の峰」2023年9月号青葉集掲載。

「端居」は夏の季語。室内の暑さを避けるため、縁先や風通しの良い端近に座って涼をとることを指す。この句は大原三千院を訪れた際の一コマ。御殿門をくぐってすぐ客殿。そこに広がる庭園が池泉鑑賞式の聚碧園。緑に囲まれていて、まことに涼しげな景色が広がる。暫しその場に座って庭園を眺める。灯篭付近で、庭師さんが黙々と落葉や枯れ枝などを拾っている。立ったりしゃがんだり動いたり、見た目以上に重労働。それを私たちはただ眺めるだけ。しかし心の中では、この庭園を綺麗に保ってくれてありがとう。そんな思いをみんな持っているはずだ。そう信じて、彼らの仕事ぶりを眺めながら詠んだ句。

信念をもって仕事をしている人は強い。庭師の方々は、お客さんに楽しんでもらうため、そして長い伝統をもつこの設備を入念に整備し、後世に伝えたいという思いもあるだろう。その思いが重い腰を動かし続ける。対する私はどうだろう。いち歯車として、何も考えることなく日々暮らしてはいないか。そう考えると、なんだか恥ずかしくなってきた。どんな仕事も、他人に役立つ面があるはず。それを今まで、あまり意識したことがなかったのではないか。月並みな表現だが、まずは自分の仕事に誇りを持って臨まねば、精神が崩れてしまう。頑張らねば。

 

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