蟻の道護摩焼く灰に遮られ

 

「方円」2012年9月号清象集掲載。

蟻は夏の季語。行列を為して進む事を「蟻の列」「蟻の道」と言い、歳時記でも蟻の傍題として挙げられている。蟻の道を作るのは働き蟻。生殖腺の退化した雌で、女王蟻に餌を運ぶための労働を受け持つ。そんな蟻の道の先に、先程火が消えたばかりの灰。人間が願いを叶えるために焚いた護摩の火。行く手を遮られた蟻たちは、それでも目的地に向かって列を為す。女王蟻を中心とした蟻のコロニー全体の繁栄のため、何があっても列を為す健気さを感じて詠んだ句。

人はよく言い訳をする。今、この7月に新たに配属された人と一緒に、OJTという形で仕事をやっている。しかし、8月に社内で大きな改装工事があり、その準備に取り掛からなくてはならない。普通なら綿密に段取りを組んで、OJTと並行しながら準備の時間も作るものだが、私は段取りが苦手。そんな時に「教えていたから出来ませんでした」という言い訳は最もしてはいけないもの。理解しつつ、頭の中でその台詞が浮かんでしまう。さらに、突発的な仕事が入ったら、それだけでパニックになってしまう。そんな自分がつくづく情けなくなる。最近はそういう流れだ。しかし、何があろうと黙々と進まなければならない。蟻のように、それが生活に直結しているなら尚の事だ。まずは、至極当たり前の事が、至極当たり前に出来るようにせねばならない。

 

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