蜈蚣死す進まんとする道を向き
「雲の峰」2023年8月号青葉集掲載。
6月4日は「6(む)」「4(し)」の語呂合わせから虫の日とされている。今日はこの日にちなんだ句をご紹介したい。「蜈蚣」はむかでと読む。「百足」の方が漢字としては馴染みが深いかもしれないが、この字はもともと中国語表記を日本語の「むかで」に当て嵌めたものとされる。車で出掛けようとしたら、自宅の車庫に蜈蚣の死骸があった。体をくねらせて、今にも歩きだしそうな姿で死んでいた。この地に越してきた頃は、よく蜈蚣やゲジゲジの類を見かけたものだが、最近とんと姿を見なくなった。そんな蜈蚣に、死骸とはいえ久しぶりに出会った。あまり気持ちのいいものではないが、死して尚歩き出そうとしている姿に、生への執着を見た気がして詠んだ句。
蜈蚣は、戦国武将の旗印や、兜の前立てとして使われていた。決して後ろへ退かない事から、勝ちにこだわる姿勢、国の繁栄のため前進するという決意の表れとして使用されていたという。対して人は前にも進むが、後ろにも進む。後ろに進む事を「後ろ向き」などとネガティブな言い方をするが、立ち止まって、一旦身を引いて、冷静になって考えるのも人の特権。決して悪くはない。しかし、「尻込み」という言葉もある。自分がやらねばならない事は、蜈蚣のように前を向いて、進んでやらなければならない。今自分に最も足りていない部分。反省せねばならない。
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