花辛夷沿ひに夕陽の落ちにけり

 

「雲の峰」2023年5月号青葉集掲載。

自宅付近から駅前のショッピングモールにかけての道路沿いに、辛夷の並木がある。その道は跨線橋から急カーブを描き、国道1号線に向けて西に延びている。その道を西に走ると、遠くに夕陽が見える。春になると辛夷並木は白い花をつけ、その花が夕陽に照らされて誠に美しい。そんな風景を素直に詠み、本格的な春が訪れた喜びを表した句。

3月も末だというのに、つい最近まで冷たい雨が降り続き、仕事中は未だに厚手の上着にヒートテックといういで立ちだった。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、彼岸を過ぎて少し寒さが和らいだと思ったら、まさに「冴返る」という季語を地で行くような気候に逆戻り。やはり最近の気候は少しおかしい。そんな事を考えながら出勤中、辛夷並木の道を通ったら、今朝は白い花が見えた。やはりどんなことがあっても季節は変わり、寒さも和らぐ。職場に着いてからも、いつも着ている厚手の上着は最後まで着なかった。今日は3月の最終営業日。月曜からは暖かくなるという。本格的な春の到来。細やかな事ではあるが、道に辛夷が咲き、お向かいの白木蓮が咲き始めたら、気分もリセットされる。季節の変わり目とはいいものだ。単純にそう思う。

 

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