元句:閑田や雲雀の影の賑やかに

校正後:休耕田に雲雀のあがり過疎の村

 

「方円」2002年5月号雑詠掲載。

雲雀、揚雲雀は私の好きな季題のひとつでもある。突然地面から垂直に飛び立ち、終始何事か囀りながらその場で羽ばたき続け、そのまま囀りながら地面に降り立つ。何をそんなに喋る事があるのかと、いつも思う。よく歩く散歩コースに、耕作放棄地が点在する。そこから喋り続けながら飛び立つ雲雀がいる。雲雀は空中で小さなシルエットを作る。それを見ているだけでも、賑やかさが伝わって来る。目で見て、耳で聞いて春を感じて詠んだ句。

この句は30代前半に詠んだ句。元句を今読み返してみると、「閑田」という言葉が果たしてあるのか。雲雀はどちらかと言うと囀る声がクローズアップされるのではないか。確かにそんな疑問がわく。そこを、方円主宰(当時)、故・中戸川朝人氏は大きく校正して、極めて分かりやすい言葉に変えた。人がいなくなった村の休耕田に、雲雀が元気よく揚がって囀りを続ける。それだけで、まず「賑やか」という言葉を使わなくてよくなる。そして何より、「閑田」より「休耕田」の方が一般的な言葉。俳句は十七文字という短い詩なので、特に読み手に伝わる言葉を選ぶ必要がある。そんな事を勉強させられた句だった。

 

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