蒲公英や人とは弱きものなりと

 

「方円」2023年4月号円象集掲載。

2月の早い時期に、気の早い蒲公英が花を咲かせる時がある。まだ寒さ厳しい、いわゆる「余寒」と言うべき季節なので、ちらほらとしか咲いていないが、それでも地面に黄色が見え始めるのは喜ばしい事で、心も和む。1年前の今頃、私にとって辛い時期が続いた。自分はこんなに出来ない人間なのかと思い悩んでいたところに、心の病が見つかった時期でもあった。そんな時に見た蒲公英の花。冬の間、地面にしっかり根を張って、葉を広げて耐え続けて、やっと花を咲かせる。芯が強い花。特に西洋タンポポは、生命力が強いというイメージを持っている。それに比べて人間は思い悩む事がある。逞しく生きなければならないが、そんな時に、世間の辛さに耐えられなくなる時がある。なんと弱い生物なのか。そんな自分と蒲公英を見比べて詠んだ句。今読み返すと、そこまで思い悩む必要はないのにと思ってしまう。

自分が辛いと感じる時、亡母の最期を思い出す。乳癌でステージ4と診断を受けた時、「あっけらかんと生きよう」と、務めて明るく振舞っていた。体はさぞしんどかっただろうに、生きる事を頑張っていた。いざ自分がそんな診断を受けたら、そんな風に振舞えるだろうか。そんな事を考えてしまう。しかし、過度に悩む事のないように、上手に気分転換をする事は出来るはず。そう考えて、趣味である俳句や吹奏楽に打ち込んでいる。そういうものがある自分は幸せ者。そう考えて、あまり深刻に考えすぎないようにしたい。

 

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