幾度も攻め入る浪や浮寝鳥

 

「方円」2004年2月号雑詠掲載。

「浮寝鳥」は冬の季語。かいつぶり、百合鴎、鴛鴦など冬に水上にいる鳥を総称して「水鳥」と呼び、殊に浮いたまま眠る水鳥を「浮寝鳥」と呼んでいる。どうしても京都・鴨川の百合鴎を想像してしまうが、池の鴨などもこれに当たる。寒さ厳しい冬。池や沼などに寒風が吹き込み、時に大きく波立つことがある。そんな中でも、水鳥たちは慌てる様子もなく、静かに水に浮いている。「浮寝鳥」という名にふさわしい落ち着きよう。水面下では、必死に足を動かして、流されないようにしているのかもしれないが、表面上はそういう素振りを見せず、実に落ち着いている。その姿に感銘を受けて詠んだ句。そんな水鳥の姿を強調させるために、「波」ではなく、さらに激しい「浪」を使っている。

目の前に見えている事に飛びついて、周囲には目もくれずにその作業だけに手を付ける。気が付けば仕事量が増えて、パニックになってしまう。そんな事がよくある。「慌てず、落ち着いて、正確に」とよく言われるが、まず私は周囲の状況をつぶさに確認するという事が課題になって来る。そうして何から片付けなければならないか、優先順位を付けて、順番にこなしていく。通常はそうするものだが、残念ながらそれが苦手。さらにイレギュラーな事が起こると、さらにパニックになる。悪循環だ。こんな時こそ落ち着きたいところだが、泰然自若でいいのかと言われれば、それは違う気がする。単純に「動じない」だけでなく、一つ一つに事柄に、真剣に向き合ったうえで、とにかく落ち着いて物事をこなす。こういう姿勢でありたい。

 

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