オリオンの頭を雲の覆ひけり

 

「方円」2014年1月号清象集掲載。

「オリオン」とは言わずと知れたオリオン座の事。歳時記には「冬の星」の傍題として掲載されている。冬の最も知られた星座と言っていいだろう。この星座は、ギリシャ神話に登場する巨人の狩人、オーリーオーンから名づけられている。神話によると、死後天に昇ってオリオン座となり、宿敵のさそり座と共に永遠に夜空を回っているとされている。リゲルやベテルギウスなど明るく目立った星で構成されており、街灯の明るい街中でも見られる星座で、四角の中心に斜線が入った独特の形を想像する人が大半だがそれは胴体で、本当は頭も手足も星座として構成されている。そのちょうど頭の部分に黒い雲。オリオンの勇壮な姿が隠れてしまっている。それでも凛として夜空に立つ姿に敬意を表して詠んだ句。

そもそもオリオン座の名付け親は、古代ローマの学者、プトレマイオス。彼が生存したのは1世紀後半から2世紀にかけての事。恐らくその頃は今ほど地上の夜は明るくなく、空を見上げると満天の星が見えたのだろう。この頃に48もの星座を考案したとされる。夜空を見上げて、星と星を線で結び、形にして名前を付ける。単純な作業かも知れないが、そうやって形を作るという事、それを何かに見立てるという事。それが後世までスタンダードとされる事。卓越した見事な創造力と言えよう。あまり関係のない話だが、今日は職場で「自分の業務の中で、一つでも改善点を見つけましょう」という話があった。どの職場でもそういう話はあるだろう。これも一つの想像力であり、考える力。普段から身近な事に目を配らせて、創造力を高めていかなければならない。

 

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