冬さうび情熱はなほ我が内に

 

「方円」2023年1月号円象集掲載。

「さうび」とは薔薇の字を音読みしたもの。薔薇の季語は本来夏で、初夏から秋にかけて盛りとなるが、温暖な地では12月頃まで咲き続ける。これを「冬薔薇」(ふゆばら・ふゆそうび)と呼び、冬の季語として使われる。近所の布団屋さんの店先に、薔薇をたくさん植えている。この季節になっても、赤や黄色を楽しませてくれる。薔薇の花言葉を調べてみると、「美」「愛」。本数によっても違うが、それぞれ「愛」や「想い」といった言葉が並ぶ。この時期に鮮やかに咲く花は、いつまでも愛や情熱を隠し持って、いつでもそれをさらけ出す準備が出来ているという事だろう。自分にそこまで物事に対する情熱があるだろうか。そんな事を考えて詠んだ句。

俳句を始めた30代の頃は、何でも吸収してやろうという気持ちで、ひたすら目に見えた風景を句にするという事を繰り返した。色々な方に教わり、曲がりなりにも俳句というものが少しずつ分かって来ると、数をこなすというより、いかに表現するかという事に重きを置くようになったため、「上手く詠まねば」という余計な思いが邪魔をして、かえって句作に迷いが生じるようになった。あくまで趣味の世界なので、本来楽しんでするべきもの。しかし私は興味を持つととことん追求してしまう。それはそれで「情熱」と言っていいのか。考えすぎると苦痛になる。もう一つの趣味、吹奏楽も然り。本来楽しむべきものが楽しくなくなる事も、若い頃にはあった。「情熱」まで行かずとも、自然体で、尚且つ深く追求していく。その姿勢を保って、今後もこの趣味を続けたいものだ。

 

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