萩の風一期一会と知りながら
「方円」2022年11月号円象集掲載。
歳時記で「萩」を調べると、「萩の風」というフレーズがあった。水原秋櫻子の「萩の風何か急ぎかるゝ何ならむ」という例句もある。この句に詠まれた萩は、奈良県宇陀市の道の駅近く。以前紹介した、森野薬草園の近くに当たる。大きな石垣に立派な萩があり、赤い花が色付いていた。そこへ一陣の風が吹く。その時、「萩の風」というフレーズがあるのを思い出した。萩の花は、己が生えている場所から動かない。一方、萩の花をかすめる風は、次々と目の前に現れて、去っていく。決して同じ風とは再会しないもの。これはまさに一期一会ではないか。そんな風に感じて詠んだ句。
2021年9月19日、母逝去。今日は母の三回忌。昨日、三回忌法要と、1年早めの父の七回忌法要を無事終えた。これで一区切り。もう3年も独り暮らしをしている事になる。50年以上生きていると、様々な人との出会いがある。特に私は、中学時代から吹奏楽という、非常に多くの人と交わる趣味を続けて来た。そこで様々な人との出会いがあった。今でも交流が続いている人もいるし、本当に一度の出会いで終わってしまった人もいる。まさに一期一会。家に帰れば一人でも、有難いことに、今でも吹奏楽や俳句を通じて出会った人々との交流がある。こうした人との繋がりを、決して絶やしてはいけない。未来の自分に向けて、そう忠告していきたい。
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