新しき梁のにほひや梅雨晴間
「方円」2020年9月号円象集掲載。
近畿地方の梅雨が明けた。そこで今回は梅雨明けの句を探したが、生憎梅雨晴れの句しかなかった。2020年の梅雨時と言えば、例の感染症が猛威を振るい、ありとあらゆるイベントが中止された頃。この頃、ご近所が建て替えをしていたが、そんなご時世で材料調達も物流もままならなかったのか、地鎮祭以降なかなか進んでいない様子だった。しかし、家が建っていく様子は、眺めていて楽しいし、期待に胸膨らませるものだ。基礎が出来て、柱が立って、梁が出来て、徐々に家らしい格好になってきたのがこの頃。梅雨時に加えて、何もかも制限され、心が沈みがちの中、それでも物事は進んでゆく。そんな希望に乗せて、木材の匂いがこちらに届きそうな感覚を覚えて詠んだ句。
朝のニュースで、67歳の新人漫画家、ハン角斉氏の特集をやっていた。本業は整骨医。小学生の頃から漫画家を目指したが、高校生の時断念。45歳から再び漫画を描き始め、何度も賞に挑むが跳ね返され、67にして漸く認められたという、執念の人だ。彼曰く、「好きでいるから諦められない。人間には成長というものがあって、それを客観視してみるのが面白い。」と。そう。人は必ず成長する。外面だけでなく、内面も成長するには、それなりの行動が必要ではあるが、何もしないより何か行動して、常に前へ前へ進むという意識があれば、この先何があろうと、人生楽しいかもしれない。
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