田水はや緑帯びたる芒種かな
「方円」2022年8月号円象集掲載。
6月6日は二十四節季の一つ、芒種。稲など穂の出る、いわゆる「禾(のぎ)」の出る穀物を蒔く時期で、農家は忙しくなる。この「禾」は「芒」の字が充てられることがあり、芒の種を蒔く事から芒種と名付けられたとも言われている。例年この頃から梅雨入りする。そんな時期。この日が芒種なので、芒種にちなんだ句を一句は詠もうと思って詠んだのか、それとも句会の兼題に出たのか。恥ずかしながら、一年前の事なのに覚えていない。毎日通勤時に通っている道の周辺や職場の周辺は、水田が広がっている。この時期は田植えの時期。すでに終わっている田んぼもあれば、これからという所もある。私が見た田んぼは、田植えが終わって日にちが経っている田んぼ。既に水草が生えて、緑色に見える所がある。稲の生長が早いように、こうした下草の成長も早い。これから本格的な夏に向けて、ますます命溢れる風景が見られる事だろう。そんな風に感じて詠んだ句。
今年も田植えの時期がやってきた。今日は雨。職場の周りの田んぼでは、雨蛙がしきりに鳴いている。「蛙」だけだと春の季語だが、「雨蛙」は夏の季語。ああでもないこうでもないと俳句の題材を探すという楽しみは、どの季節もある。しかし、最近はそうした自然に発生する音に対して不寛容な人が目立っている。悲しい話だ。あるいは昔からそういう人はいたのだろう。しかし、SNSの爆発的な普及により、そういう人がにわかにクローズアップされたという事だろう。そうした人を糾弾し、寛容になれと強制しようとする世論も違う気がする。色んな主義主張を互いに尊重して、ごく普通に共生できる世の中には、もう戻れないようだ。
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