花馬酔木風過ぎてまた俯けり
「方円」2016年6月号円象集掲載。
馬酔木は皆さんご存じの通り、小さい花が固まって咲いており、そのどれもが房のように垂れ下がっている。私はこれを「俯く」とよく表現する。この句もそんな一つ。そんな俯いたアセビの花が、風に煽られて一瞬前を向いたように見えた。しかし風が収まると、元の俯いた姿に戻る。一瞬でも前を向いた花に希望を見出し、また俯く姿を見ると寂しくなる。そんな風に感じて詠んだ句。あるいはこの時自分自身が落ち込んでいたのかもしれない。
最近事あるごとにこの場で書き記すが、自分の出来なさ加減に落ち込む事がよくある。そんな時、知らず知らずのうちに、下を向いて歩く。これではいけないと分かっているのだが、どうしても下を向いてしまう。さながら今日紹介した馬酔木の花のように。それでも、自分は出来ない事ばかりではなく、自分にしかできない事もあるはずだ。そんな風に言い聞かせようとしている。その一つが趣味の世界。俳句も吹奏楽も、「自分にしかできない」という事はないが、「自分が楽しむ」事は出来る。そう考えたら、単純だが、色々前向きに捉える事が出来る。この週末、まずは己の趣味を思い切り楽しむ事にしよう。
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