過去帳に八代目の名灌仏会
昨日、4月8日は灌仏会(かんぶつえ)。降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)とも呼ばれる。釈迦の誕生日と言われる日にちなんで各寺院で行われる行事の事を指す。よく言われる「花祭」は、本来浄土宗が称していたものが一般化されたもの。堂内に花御堂と呼ばれる花で飾られた小堂をしつらえ、水盤に誕生仏を安置し、参拝者が甘茶を灌ぐことから「灌仏会」と呼ばれるようになったとされる。そんなこの日。毎朝のルーティーンとして、仏壇のご飯を下げ、過去帳のページをめくる。この日、8日は当家八代目の月命日。昭和13年5月8日。私の曽祖父に当たる人物の名が過去帳に記されていて、そこに「八代目」と記されていた。私は当家十一代目に当たるらしい。こうして人の歴史は受け継がれるのかという思いを込めて詠んだ句。
今まであまりしげしげと過去帳を眺めた事がなかったが、両親死去の際、相続関係で原戸籍や過去帳を調べる機会があり、そこで先祖に興味を持つようになった。話によると、1600年代の大阪にルーツを持つ当家だそうだが、戦災で過去帳も財産も何もかも喪失し、今の過去帳は祖父が記憶を頼りに記したもの。今の当家の原戸籍で遡れる、私の高祖父に当たる「七代目」までが過去帳に記されている。まあ、歴史があるから名家かと言えば、必ずしもそうではないだろう。祖父は戦災で焼け出され、親戚の家に転がり込んだ際、「アンタらは負け組や!」と揶揄されたらしい。ゼロからスタートするに当たって何をするのか。そこが大事なのではと思う。これからの人生、自分なりに歩いてみよう。
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