豆稲架を揺らし特急通過駅

 

「方円」2017年12月号円象集掲載。

今日は鉄道の日という事で、鉄道に関する句を紹介したい。

「稲架(はざ)」とは刈り取った後の稲藁を干しておくための木組みの事。豆稲架はその小ぶりなもの。稲刈りの季節になると、あちこちで見られるようになる。この日、何の用事だったかは忘れたが、京都市内の南の方を歩いていた。そこはところどころに田んぼが見られる場所で、鉄道が通っているが、私が歩いていた場所は各駅停車しか停まらない駅の近く。大阪から来る特急列車が駆け抜ける度に、稲架に干してある稲藁が大きく揺れる。昔からある田園風景と、鉄道という近代的(と言えば語弊があるかも知れないが)が同じ風景として見事に嵌っている。普段はあまりその事を気にしないが、じっくりと観察すれば実に絵になる。そんな一コマを切り取って詠んだ句。

亡母の体調が思わしくなくなってから、私は電車通勤をやめて、車で通える職場に転勤した。以来、飲みに行く以外、どこへ行くのも基本的には車で行くようになった。なので、こうした風景を車窓から眺める機会も少なくなってしまった。車とは気楽なもので、時刻表を気にする必要がない。眠たくなったらサービスエリアで仮眠を取ればよい。そんな風に思うようになれば、ますます鉄道を使わなくなった。しかし、自分で運転するというプレッシャーから離れ、電車の椅子に身を任せるというのも、たまには悪くないかもしれない。

 

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