町医者の病に逝ける秋黴雨
「方円」2021年11月号円象集掲載。
本日9月23日秋分の日は、生憎の雨模様。そこで今日は秋の雨を詠んだ句を紹介する。
私は月に一度、血圧の薬などを貰いにかかりつけ医に出向く。いつも他の用事と重なるので、いつもは車で行くのだが、この句を詠んだ昨年9月は徒歩で向かった。近所でありながら、普段あまり歩く事のない道。その道すがら、かつては内科医がもう1軒あった。小学2年の時、祖父を自宅で看取ったのがここの先生。しかしかなり前、先生が亡くなり廃業。今は普通の家になっている。この日はしとしとと雨が降っていた。秋黴雨(あきついり)とは、この時期に梅雨のように長く降る雨の事。淡々と流れる時を刻むように降る雨と、淡々と変わる周りの景色を見比べて、自分も年齢を重ねて来たんだと感じて詠んだ句。
そして2021年9月23日、この日は亡母の告別式の日。この日は今日と違って秋空が広がっていた。あの時私は喪主挨拶で「今まで頑張って来た故人に、『ご苦労さん。もう頑張らんでいいんやで』とお声かけ頂ければ、故人は安心して旅立ちます」と言った。それは自分に対して、これからは頑張らねばならないと、自らを奮い立たせる意味で言ったつもりだった。1年経ってみてどうだろう。日常にただ流されているだけではないのか。今朝の大粒の雨が、私にそう語りかけているような気がした。
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