この町の入口の駅鰯雲

 

「方円」2013年11月号清象集掲載。

9月20日は空の日との事で、空にちなんだ一句。

私は2012年、所属する方円俳句会で方円賞を頂き、同人に推薦された。そこから1年経とうとする時期。句作に悩み始めている時期に詠んだ句だろうと思う。随分年月が経って、あまり覚えていないのだが。「この町の入口の駅」とは、自宅の最寄り駅の事。一つ先の駅は大阪府に位置するので、まさに入口と呼べる駅だ。当時は電車通勤で、しょっちゅうこの駅を利用していたが、9月のある日、駅から見上げると鰯雲が広がっている。つい最近まで暑い暑いとぼやいていたのが嘘のような涼しさ。そして秋の空。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。そんな事に感動を覚えて詠んだ句。

それから随分時間が経った2022年9月のこの日、台風一過で風が強かったこともあってか、朝晩はかなり涼しくなり、日没も早くなった。以前紹介したかもしれないが、永平寺第78世貫首・宮崎奕保禅師は、こんな事を言っている。

「自然は立派やね。わたしは日記をつけておるけれども、何月何日に花が咲いた。何月何日に虫が鳴いた。ほとんど違わない。規則正しい。
(中略)時が来たならば、ちゃんと花が咲き、そして、褒められても、褒められんでも、すべきことをして黙って去っていく。そういうのが実行であり、教えであり、真理だ。」

当たり前の事を当たり前にこなすのが自然。仰る通り。私たち人間は、何かにつけて理由付けをして、難儀な事を避けようとする。そして、取り返しのつかない事をする。今の世の中、そういう事象が増えている。私も黙ってするべきことをせねば。改めてそう決意したい。

 

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