病室に響くフルート涼新た
「方円」2021年10月号円象集掲載。
「涼し」は夏の季語だが、「涼新た」「新涼」は秋の季語とされる。立秋を過ぎれば秋。立秋を過ぎたばかりだとまだまだ夏の雰囲気が漂う。しかし暑さもピークを過ぎると、実際に涼しさを感じる場面も増えてくる。それが新涼。昨年の今頃は、亡母が緩和ケアに入院していた頃。ある時出張音楽サービスなるものが病室に来るとの事。「フルート奏者が来るらしい。リクエスト聞いてくれるらしいけど、おすすめの曲はある?」とLINEがあった。何を答えたかは忘れてしまったが、実際に生のフルートを間近で聞いて楽しんだようだ。フルートの音色は涼しさを感じさせる。殺風景な病室に一服の涼を感じた事だろう。そんな事を想像して詠んだ句。
あれから1年、次の日曜日、初盆法要を行う。亡父の時は何もしてあげられなかったが、今回はきちんとしなければ。最近仕事で失敗続き。気分も塞ぎがちになる事が多い。そんな時、家族がいたら話し相手にもなったろうにと思う事がある。しかし、そればかりに頼る訳にも行かない。向こうで一服の涼を再び感じてもらうために、心清らかに、気持ちを確かに過ごしたい。
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