青鷺の風を残して立ちにけり

 

「方円」2021年10月号円象集掲載。

8月7日に立秋を迎えるまでのわずかな期間、8月のたった1週間が、俳句で言うところの「夏」とされる季節。お盆辺りは完全に秋の句になる。今はどちらかと言うと晩夏。この時期でも頻繁に田畑で見る青鷺は夏の季語とされている。青鷺と言えば、私の句の中でもじっとして動かないという印象が強く、そういう句ばかり詠んでいる。しかしいざ飛び立つとあの大きさだ。大きな翼をゆっくり羽ばたかせて飛ぶ。その姿は迫力がある。飛んだ後には一陣の風が吹き抜ける。あれだけ直立不動だった鷺だが、動くとこれほど周りの空気が動くのか。そんな事を考えながら詠んだ句。

8月頭から自分自身の動きが鈍い。月初の月曜日、激務の中、自分一人でバタバタするだけで、仕事になっていない。8月初日はそんな日だった。己の思慮の足りなさ、コミュニケーション不足、容量の悪さに腹が立つ。どうして自分は動けないのかと、落ち込むばかりだ。一方、趣味の世界では、7月31日、京都府吹奏楽コンクールに於いて、お陰様で京都府代表に選ばれた。どうなる事かとドキドキしていたが、周りは私達を選んでくださった。たった一人で演奏する訳ではないが、自分だってやれば出来る。動けば大きな風を呼ぶはず。自信過剰になってはいけないが、まずは積極的に動いて、自分の苦手意識を払拭せねばならない。仕事も趣味も、同じ人間が行っているのだから。

 

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