日の暮るるまで白梅でありにけり

 

「方円」2012年5月号清象集掲載。

2月頃から開き始めた梅は今がそろそろ見頃。各地の梅林も様々な色が楽しめる。鮮やかな赤。濃い目の赤。ピンクがかった赤の他に、特別目立つ色と言えば白梅だろう。白は明るい色なので、晴れた空にも曇り空にも映える。日が傾き始めて、辺りが暗くなりかかっても、うすぼんやりではあるが、白を誇って咲き続ける。かつて電車通勤だった頃、駅から自宅まで決まったコースを歩いていたが、その途中に鮮やかな白梅が咲いている家がある。帰りが遅くなって、すっかり暗くなっても白。決然とした色がずっと続いている。そんな姿に意志の強さのようなものを感じて詠んだ句。

日常生活や社会生活の中で、「自分は何もできない人間だ」とか、「一応大学は出たけど身に付いていない」など、知らず知らずのうちに自分を卑下した発言をしていることがある。実際仕事に学歴は全く関係ないのだが、それにしてもそんな事を言ってしまう自分がいる。その発言がその後の自分の行動や思考に影響して、パフォーマンスが下がってしまうという事がよくある。悪循環だ。「自分は今までこんなことをやって来た」という自負があれば、そんな発言はしないはずなのだが、どうも過去失敗を続けている自分のイメージ、客観的に見た印象が、そんな発言をさせてしまっているのかもしれない。だからと言って自信過剰になるのは良くないが、うまく行った時の自分を常に思い出して、自信を持って生活していかねばならない。その姿勢だけで、今後の人生は変わるはずだ。そう思って過ごそうと思う。

 

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