万両に光地を経て届きをり
「方円」2006年3月号雑詠(現・明象集)掲載。
冬、赤い小さな実を付ける植物が2種類ある。それが千両と万両。千両は上向きに実を付けるのに対して、万両は下向きに実を付け、千両よりも背が低い。そのため、イメージとしては千両の実に先に太陽の光が当たり、万両には遅れて当たるように見える。さらに下を向いている分、直接日光が当たるのではなく、一度地面に当たって跳ね返ってから当たるというイメージがある。実際はそうではないのだが、どうしてもそう見えてしまう。そんな万両にも、晴れていれば必ず日の光は当たるんだと、この句を詠んだ時は感じたのだろう。今読み返せばそう思う。
何か失敗をしたとき、私はなかなか立ち直れないことが多い。自分の存在意義は?という所まで悩んでしまう事がある。傍から見れば実に滑稽なのだが、そこまで考えてしまうこの性格を何とかせねばならない。そんな時、地面に近いところにいても、ちゃんと日の光を浴びている万両を見ると、自分も信じて頑張らねばと思う。誰にでも必ず晴れは来る。必ず日の光を浴びる事が出来る。こう思いたいものだ。
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