影もまた木の葉とともに落ちにけり
「方円」2021年2月号円象集掲載。
冬は落葉の季節。街中の並木や雑木林、あらゆるところで葉が落ちる。何気なく見ているとそれだけの風景だが、晴れた日、よく目を凝らすと、落葉が太陽に照らされて影を作る。その影が壁などに映れば、枯葉と同じように地面に落ちていくように見える。当たり前の事なのだが、その光景があたかも落葉と影が運命共同体。二つの命が終わるような感じがして、寂しさを倍増させていると感じて詠んだ句。
冷静に考えたら当たり前の光景なのだが、晴れている所には影が出来る。動く者の影は動くものと同じように動き、立っている者と同じところで佇む。影に意思がある訳ではないが、晴れた日に歩くと、影が常に自分に付いてきて、いつも自分を見ているように感じる事がある。幼いころに聞いた話。人間の肩の上には倶生神と呼ばれる小さい神様がいて、常に自分の行動を記録している。その人が亡くなると、閻魔様の前で倶生神が過去の行動を報告し、地獄行きか極楽行きかそこで決めるという話。影がそんな存在であるかは別として、常に誰かに見られていると思えば、少しは自分の行動も変わって来るかもと思う。
↓コチラも併せてご覧ください♪↓