冬立つや命の果ては神任せ
「方円」2021年1月号円象集掲載。
立冬とはいえ、本格的な冬を感じるにはまだ早いと感じるこの時期。今年9月に亡くなった母は、3年前から乳癌が骨に転移し、ステージ4と診断されており、この時既に依然と比べて体が弱り始めていた。世の中には若くして無念の死を遂げる人もいれば、100歳を超えて元気な人もいる。命の終わりは人がコントロールできない部分。この時期に吹く少し冷たい風に乗って、神様が命の終わりを気まぐれに告げるのだろうか。そんな事を思って詠んだ句。
この句を詠んでから2ヶ月、最後の正月を迎え、7月末に緩和ケアに入院。しかし自らの意思で1か月後に退院。そこから急激に弱って、9月19日、自宅で息を引き取った。ステージ4診断の前に、もっと積極的にがん検診を受けていれば、もう少し長く生きられたのではないかと思う。それも外野の意見。本人は亡くなる1年前にある程度覚悟を決めていたのだろう。私に書置きを遺すなどしてくれた。神様が最期を告げる前に、心の準備をする余裕が、私にはあるだろうか。
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