凌霄の陽の色をして陽を受けぬ
「方円」2014年9月号清象集掲載。
凌霄。ノウゼンカズラ。観賞用としてよく植えられる夏の花。ちょうど今頃の時期に開花し、気根を出して樹木や壁などに付着して蔓を伸ばす。色は主にオレンジ。我が家の周りでは、道路より少し高め、見上げるぐらいの高さに植えられて、花のオレンジ色がちょうど日に照らされているように見える。それがあたかも「太陽がくれた色」のように見えて、いかにも夏らしい明るい輝きを帯びる。その色と花の姿に生命力を感じて詠んだ句。
調べてみると、この花の古名は「のせう」。凌霄と書いて「りょうしょう」と読めるが、朝鮮読みの「ヌンソ」が訛ったものと言われているという。そしてこの漢字の由来は「霄(そら)を凌ぐ」から来ているという説があるらしい。言われてみれば、高いところでよく見かける。通勤ルートとして利用している国道と高速道路が並行して走る木津川大橋にもこの花があり、車から見ても少し見上げる位置にある。「空を凌ぐ」とはよく名付けたものだ。何でもそうだが、最初に名前を付けた人のセンスは素晴らしいと常に思う。まさに「名は体を表す」という表現が当てはまる。私にもそのセンスが欲しい。
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