合歓咲くや一花に小雨ひとつずつ

 

帰り道に寄るスーパーの周辺は田んぼが広がっている。その田んぼの畦道の隅に合歓の木が生えていて、細い綺麗な花を咲かせている。毎回ここを通るたびに、あの合歓の花を題材に一句考えていたが、なかなか出来ないまま通り過ぎていた。昨日は夕方から雨。まだ本降りではなく、夕立のような激しい雨でもない。合歓の細い花々の一つ一つに水を浴びせるような、そんな細い小雨。雨が自然を労わっているように見えて詠んだ句。

最近は、雨と言えばバケツをひっくり返したような大雨になる事が多いような気がする。梅雨時でも同じ。長くしとしと降り続くような雨は、ここ数日お目にかかれない。まったく降らないか、いっぺんに降るか、両極端。昔と比べて環境が変わってきたという事か。周囲の自然を労わっているというより、人間の勝手な振る舞いに悲鳴を上げている。または警告しているというような、そんな気候が続いている。「地球温暖化はでっち上げ」というご意見もあろうかと思うが、昔と比べて明らかに気候が変わってきているのは事実だ。子どもの頃は部屋の冷房はなかったがウインドファンがあり、それで外気を取り入れるだけで涼しかった。今更あの頃に戻るのは無理だが、せめて身の回りの自然や緑に目を向けて、せめて愛でるぐらいの事はしたい。それで環境が著しく変わるわけではないが、まずは周囲の自然を知る事から始めよう。

 

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コダマヒデキ~音楽と俳句の部屋~