滝三筋四筋と別れ静まれり
「方円」2012年8月号清象集掲載。
この季節になると、マイナスイオンを浴びに滝へ出かける。滝となってから、水は様々な表情を見せる。落ちる途中で飛沫になって空中を浮かぶもの。滝つぼ深く沈み込み、溜まるもの。そのまま川になって流れるもの。実に様々だ。滝の様子も、最初は一本の大きな滝だが、次第に枝分かれして元の静かな川に戻り、下流へ流れていく。滝という水にとっての大きなイベントを経験して、その後は何事もなかったように静まり返る。水が見せる様々な表情を感じて詠んだ句。
「水は方円の器に随う」という諺がある。四角い器でも丸い器でも、嫌う事なく当てはまる。よく勘違いされがちだが、意味合いとしては「人は環境や友人によって良くも悪くもなる」という事で、扱いによってはあまりいい意味合いではない。本来の意味とは違うかもしれないが、どんな環境でも、どんな状況でも抵抗なく入っていけるという事自体は悪い事ではない。ただ同じ器にずっと入っているから影響されるのだ。そう考えれば、突然違う環境に放り込まれても、しなやかに対応できる。尚且つその環境だけに縛られないというのが、これからの理想ではないかと思う。
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