青葉風御寺の固き門閉ざす

 

「方円」2020年5月号円象集掲載。

1年前の5月と言えば、例の感染症が全国的に広がり、最初の緊急事態宣言が発令され、外出もままならなかった頃。得体の知れないウィルスに人は恐れをなして、町から人が消えた頃。私は休みのたびにどこかへ歩きに行っていたがそれもままならず、近所をじっくり時間をかけて散歩をするしかなかった。そんな時に出会った風景。一般に公開されていない寺で解放感がないのに加えてこういうご時世。誰も外へ出ていない。そんな状態が余計に閉塞感を生む。5月は新緑眩しい季節で、爽やかな風が吹いているが、町全体が死んだような状態になっていた。そのギャップを感じて詠んだ句。

1年が経った。だんだん病気の正体がわかってきて、何とか対処しようとする。ウイルスは変異型が登場し、従来型にとって代わろうとしている。人と病気のいたちごっこの様相だ。1年前は、今年1年でこの病気に打ち勝つだろうと思っていたが、なかなかそうも行かないようだ。たとえ克服したとしても、今までのような暮らしは望めないかもしれない。人の生活も意識も変わる頃なのかもしれない。嘆いてばかりでは前に進まないので、その時その時の生活様式に合わせて、人は柔軟に変わっていく必要がある。

 

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