飛花落花始発の客となりにけり
動画は昨年撮ったもの。ちょうど全国的に感染症が最初に猛威を振るい始めた頃の風景。今年もこの桜が満開になり、早くも大方散ってしまった。そんな散った花の行方は様々だ。木の根元に真直ぐ散り落ちるものもあれば、風に吹かれて川に落ちるものもある。ここの桜はすぐ近くに線路があり、そのまま通過列車に運ばれる花もあり、まことに絵になる。中には朝早く散って、ちょうどやって来た始発電車で大阪や奈良まで運ばれてゆく花もあるのだろう。そんな事を想像して、花を乗客に見立てて詠んだ句。
京都市以南は既に時短要請があり、さらに今日から特別措置が取られる。今は車で京都府下まで通勤しているが、かつては電車で大阪まで行っていた。必要不可欠な外出ではあるが、不特定多数の人が一緒に乗っている狭い環境。以前にも増して周りに気を遣わねばならない。私は職が変わって以降、昨年からほとんど電車に乗っていない。移動はたった一人の密室である車で済ませる事が多くなった。また、車や徒歩で行ける範囲の所しか行かなくなった。一刻も早く、気兼ねなく移動ができる世の中になって貰いたいことは勿論だが、期せずして、電車内での気遣い、マナーについて、個人個人が考え直すいい機会になっているのかもしれない。この騒動が収まってからも、狭い環境の中での気遣いという部分だけは残しておきたいものだ。
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