風吹けば風と語らふ雲雀かな

 

雲雀が舞う季節になった。いつも思うのだが、雲雀は垂直に空を駆けあがり、飛んでいる間はずっと何事か喋り続けている。何をそんなに喋る事があるのかと思うくらい、ずっと喋っている。強い風が吹いても怯むことなく、その風に向かってずっと喋っているようにも見える。小さいが賑やかな様子に春を感じて詠んだ句。

3月になった。1年前の今頃は、例の感染症がじわりと全国的に影響を及ぼしだした頃だったか。通常通りの生活が叶わなくなり、気軽にどこかへ出かける事もなくなって来た時期だったか。そこから1年経って、未だ不自由な生活には変わりないが、徐々に日常に戻ろうとしている部分もある。自然はどんな時でも自然。春には菜の花が咲き、桜が咲き、鳥が囀り始める。日常変わりない生活を送れていないのは、人間だけかもしれない。その人間が、草木禽獣の昔からの日常生活を脅かし続けた。それを考えると皮肉なものだ。お互いがお互い干渉せず、共存できる生活に戻るのが理想だが、そのためには人間の考え方を改める必要がある。これを機に、お互い歩み寄れる3月になって欲しい。

 

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コダマヒデキ~音楽と俳句の部屋~

 

 


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