目覚めるを許さぬ雨や眠草
「方円」2016年9月号円象集掲載。
「眠草」とはオジギソウのこと。南アメリカ原産で、刺激を受けると葉が閉じてゆく事からこの名が付けられた。幼少の頃、祖父母の家の庭に植えられていたのを触って、葉が閉じる様を眺めて楽しんでいた記憶がある。梅雨の時期、長雨のどんよりした風景が、そんな眠草の葉を閉じさせたまま。このまま葉を開いてくれないんじゃないかという天候が暫く続く事を憂慮した句。
もちろん、そんな訳はなく、朝になって少しでも明るくなると再び元に戻るのだが、今の梅雨時は、このまま本当に眠草は目覚めてくれないんじゃないかと思うほど、激しい雨が連日続く。今はコロナ禍真っ最中なので、余計に天に見放された気分になる人も多いことだろう。「止まない雨はない」という前向きな言葉を、軽々に言えない状態が続く。事あるたびに述べてきたが、人間の生活環境が変わり、それに自然が合わせるようになり、気候をめぐる環境も変化する。だからと言って、甘んじて変化を受ける訳にはいかない。相手が自然なので自然体で、緩やかに対処してゆく事を継続すれば、眠草が普通に目覚めて葉を閉じる日常生活が見られることだろう。
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