山讃ふ太字の句碑や冬ざるる

 

「方円」2013年2月号清象集・方円秀韻抄掲載。

ここで言う「太字の句碑」は、三重の名峰、御在所岳にある、山口誓子の句碑を指す。この頂から南の鎌ヶ岳を仰ぎ見て「雪嶺の大三角を鎌と呼ぶ」と詠んだもの。山全体が花崗岩質のこの山は風化浸食が進み、特に南側斜面は切り立った崖を成し、鎌のように鋭い事からこの名が付いたと言われている。厳しい冬山に立ち、より一層鎌の刃が鋭く見えたのだろう。私が訪れたのも冬の寒さ厳しい日。誓子には遠く及ばないが、見た風景はまさにこれだろうと言える山々の絶景がそこにあった。誓子が見て感銘を受けた風景を目に焼き付け、敬意をもって詠んだ句。

あれから御在所岳には登っていない。夏に一度比叡山に登ったが、厳冬期の風景とはまた違う趣があった。いかなる季節、いかなる場所でも的確に、尚且つダイナミックに景色を愛でる表現がパッと出るようになりたいものだ。

 

↓コチラも併せてご覧ください♪↓

コダマヒデキ~音楽と俳句の部屋~

 


人気ブログランキング