見晴らしを波に任せて冬鴎

 

「方円」2009年1月号雑詠(現・明象集)掲載。10年前の句。

どこに出かけたのか忘れてしまったが、恐らく波が穏やかな瀬戸内か太平洋側。海の上で体を休めている鴎の様子。この時期に北から渡って来るので、「冬鴎」として初めて季語として成立する。そんな鳥なので、水に浮いている時ぐらいはゆっくり休みたい。景色がどう変わろうと。という思いを代弁した句。

実際のところは、水に浮いているように見えるが、見えないところでは懸命に泳いでいる訳であり、またいつ外敵が襲ってくるかもしれないので、見た目ほど気楽ではないのだろうが、見ている側にそうした必死さは見せない。そうした様子にほっとさせられるのかもしれない。

11月が今日で終わり、いよいよ師走、年末年始へと続く。年を重ねるごとに、時間の経過が慌ただしく感じる。気持ちばかりが焦ってしまい、重大な過ちを犯すこともあるだろう。個人的にそういう時期もあった。波に浮いている鴎は理想。するべきことはきちんとしつつ、ポーカーフェイスを装える12月でありたい。

 

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