波立つやえりの彼方に近江富士

※「えり」は魚編に入
 
「方円」2002年7月号雑詠(現・明象集)掲載。方円入会したて、30代前半の句。
夏の季語として使われている「えり」は琵琶湖に見られる代表的な漁の仕掛けで、並べ立てた竹垣を袋小路状にして魚を追い込むもの。魚が入り込む事から魚編に入の国字が使われるようになったとされる。岸から沖に向かって立てられるため、対岸の近江富士がよく見える。そんな情景を詠んだ句。今見れば、いかにも本格的に俳句を始めたのがよくわかる若い句だ。
最近は、句中に地名や名所をあまり入れなくなった。入れてしまうとそれが強烈な印象として残り、「地名に頼った句」が出来てしまうから。それよりは、今見えている情景そのものを楽しみたいという思いがあるため、入れる場合は慎重に考えるようにしている。まあ若い時なら、「とにかく何でもチャレンジ」と言うことで、こういう句もいいだろう。
中学校の修学旅行で、全員俳句の課題が出された。その時に詠んだ「夏薊友と訪ねし萩の町」が、長い俳句キャリアの始まりだった。常に刺激を受けつつ、この時の純粋な気持ちも忘れないようにしたいものだ。
 
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