逝く前に無垢の空あり草蜉蝣
「方円」2004年7月号雑詠(現・明象集)掲載。15年前、30代後半の句。その頃は両親も身内も健在で元気。自分も健康に問題なく、何を達観して詠んだのだろうと、今にして思えば不思議でならない。
恐らく当時の私は勘違いしているが、よく言われる「寿命1日」とされる蜉蝣と草蜉蝣は生体が異なり、約3~4か月生きる。1年で3世代交代する計算。しかしそれでも、人の一生と比べれば瞬時と言える。彼らはアブラムシを好んで食べ尽くす益虫として生き、短い一生をその身の色のように美しく、精一杯生きる。そして人生の最後に広がる空もまた美しい。生死の哀れより、生きた事についての満足感に満ち溢れた句と言ってもよい。
最近、何かにつれて「自分なんて」と思って沈む事が度々ある。その考えは捨てねばなるまい。いつかどこかで必ず輝ける時が来ると信じて、前向きに生を全うすべきだろう。
「あなたはこの世に望まれて生まれた大切な人」(マザー・テレサ)
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