揚雲雀休耕田の幾畝も
「方円」2014年5月号清象集掲載。詠んだ場所は恐らく自宅付近。どこにでもある風景で特定はしていない。
揚雲雀は空中で実によく鳴く。と言うよりよく喋る。何をそんなに喋る事があるのかというぐらい、羽ばたきながら始終喋り続ける。小さい体で落ち着かない様子が雲雀らしい。
しかし、話し相手はどこにいるのか。周りを見ても雲一つない空。下を見ると放置された田畑が一面に広がる、何もないところ。人影も動物らしき姿も何も見えない。諦めて地上に降りながらまだ喋る。そして降りきったら漸く口を閉じる。しかし落ち着く間もなく、また高い空へ登りながら、止めどなく喋り続ける。この繰り返し。
恐らく、野生の本能として、異性を求めて己の存在をアピールしているのであろう。誰にお喋りが届くとは意識していない。誰かがどこかで確かに聞いてくれている事を前提に、高い空で何を話すでもなく喋り続ける。
一方、人間は孤独だと黙ってしまう(人にもよるが)。そんな時こそ言葉や文字を活用して、どこかの誰かに自分の思いを伝える気持ちで言葉を紡ぎたい。
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