早梅の白ぽつぽつと夜明け前
「方円」2017年3月号円象集掲載。
早いもので、1月も終わりに近づき、もう少しで立春を迎える。我が家の近所に、決まって1月にちらほら開き始める白梅がある。その向かいの家には枝垂梅があり、白梅より少し遅れて赤い花が開く。道を挟んでの紅白の共演は実に美しく、ここを通るたびに春の到来を感じて嬉しくなる。
私は普段早朝暗いうちから家を出て、夜遅くに帰ってくる。そのため、この白梅を昼間に見ることはあまりない。しかし白というものは暗い中でも殊に目立つ色で、家を出て帰ってきても、いつでも通り道に白がある。1月終わりの厳寒の中、ちらちらと見え始める白が日に日に増えるのを毎日目の当たりにする度、時の経つ速さに驚くとともに、はやく暖かくなってほしいという願望が日毎に増すのを、花はちゃんと見抜いているように感じた。そんな白梅に敬意を表して詠んだ句。
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