最近の英語に関する本を読んでいると、
「教科書に出てくるような文章ではなく、ネイティブがよく使う表現を身につけましょう」
という記事をよく見かけます。
確かにそのような表現を覚えることも大事ですが、
先ずは文法を覚え、学校英語のようなスタンダードな英語を使いこなせるようになるべきです。
その上でネイティブがよく使う表現を覚えればいくらでも応用がききます。
一方、もし正しい文章が作れないうちからそのような表現を覚えてしまったら、
修復困難なブロークン英語が身についてしまいます。
私の英語の恩師もこのように教えてくれました。
「習字を習う際に、いきなり草書体を書くのはありえない。
まずは楷書体を練習し、
次にそれを少し崩して行書体を練習する。
そして最後にもっと崩して草書体。
この順番で練習していけば、
崩して書いても美しく書くことができる。
しかし、楷書体を書く練習を疎かにして
適当に崩して書いた字は読めない。
英語も同様であり、まず学校英語で話せるようになれば
日常英会話で崩す分には問題ない。
しかし、基本が出来ていない人がネイティブのような英語を話しても、
まず通じない。」
この様に、先ずは基礎となる学校英語を使いこなせるようになることが大事なのです。
ですが、実際ネイティブは私たちにネイティブらしい英語表現を使うことは求めていません。
意思疎通さえできれば学校英語でも全く問題ありません。
事実、ネイティブも学校英語は頻繁に使います。
なので、ネイティブらしい英語を身につけるのはあくまで趣味程度として捉え
まずは学校英語で自分の言いたい事をなんでも言えるようになるのが
英語マスターの為の一番の近道なのです。