今月、福岡県朝倉郡筑前町三牟田にある砥上観音塚古墳を見てきました3室からなる横穴式石室に赤色顔料の装飾が残る、6世紀末~7世紀初頭築造の円墳です
これから行く人がいらっしゃいましたら、装飾を触らない!傷つけない!というお気持ちで見学していただけると、オタクとしては嬉しいです
まず砥上神社まで行きます
神社を突き抜けると砥上岳の登山道がありますので、ズンズンと登りますが、女性の足で30分くらいです
前日が雨だったため登山道に水が流れていたり、山道の幅が狭いところもあったので、注意しながら進みました
鉄塔があるところに出たら、その裏に回り込みます
古墳の説明版と円墳が見えてきました
古墳の位置は、標高150mの尾根先端部
径約13m、高さ3.5mの円墳で、西に開口する横穴式石室があります
入口が埋まり気味ですが、私は体重42kgの小柄女子なので何とか入ることができました
石室は全長8.6m、後室・中室・前室・羨道という構造
中室(3つあるうちの真ん中の部屋)から、後室(玄室)を見ると、南側の袖石と奥壁に装飾が見えました
北側の袖石とまぐさ石にも、赤色顔料が残っていますね
後室は奥壁幅2.3m、奥行き1.8m、高さ1.6m
肉眼だと、赤色顔料がぼや~っとした感じにしか見えず、写真にしたほうがハッキリ見えます
右側に星状文、その下に舟
元々は、奥壁の真下に棺台状に石が敷かれていたようですが、現在は石がゴロゴロしていてわからなくなっています
中央に誰か落書きしてますね。これだけはやめてぇぇ~
円文がハッキリ見えます
筑前町史によると、円文は筑後川流域に多く、軍事的氏族の的臣(いくはのおみ)との関係が指摘されているそうです
羨道側を見たところ
前日の雨で、湿気がすごくて落ち葉もドロドロ
湿気と乾燥を繰り返すと、装飾が傷みますよね
尾根に沿って歩いたところ、円墳があって石室がわずかに開口
この先には、自然石が露出している採石場になりそうな石エリアもあります
前日の雨水が流れる足元の悪い山道を登っていたら「お疲れ様です。書類が完成したので確認をお願いします」っていう、会社からのLINEが来ました
ええっ、今ここで!?(笑)
仕事しながらでしたが、長年見たかった砥上観音塚古墳に行けて幸せな時間を過ごせました
【注意】場所によりLINEが通じません。私のような単独行動は危ないので、誰かと一緒がいいですよ
(参考文献)小林行雄・藤本四八「装飾古墳」1964年