ふるあめりかに袖はぬらさじ。〈歌舞伎座〉 | 旅食遊。祈恋。

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※ネタバレあり。



本当は六月歌舞伎の第三部は「与話情浮名横櫛」だったのだが、片岡仁左衛門が帯状疱疹を発症したため演目変更となった。


現場はすごく大変だったと思うけど、私はめっちゃ見たかったのであわててチケット取ったりして。


以前上演された時はチケット取れず歌舞伎シネマで観劇した。

今回はコロナのおかげかチケット取れました。


元は故杉村春子の当たり役。


玉三郎に引き継がれたのは意外だったけど、イマドキ着物着て三味線弾いて芸者の役がこなせる女優なんかいないからな。


とにかく舞台で見られるのがうれしい。





尊皇攘夷が唱えられる幕末の日本。

横浜の遊郭「岩亀楼」では亀遊(河合雪之丞)は病で行灯部屋に入れられていた。
亀遊の吉原時代の知り合い芸者お園(玉三郎)が亀遊を見舞っていると通辞の藤吉(中村福之助)が現れる。

藤吉が持ってきた薬で亀遊の病気が回復し座敷に出られるようになったが、店に来たイルウスという客が唐人口の遊女に不満を漏らし亀遊を指名したので大混乱となる。

亀遊は藤吉の目の前で気を失ってしまう。

イルウスは亀遊を指名できないのなら買い取ると言い出す。
岩亀楼の主人(鴈治郎)は亀遊に多額の借金があることからその話を了承。
お園はそれだけはやめてくれ、と頼むが主人の決意は固く、お園はせめて自分が伝えようと亀遊の部屋に行くが、亀遊は自殺していた。

それから75日、かわら版に亀遊は外人の身請けを拒み両親からもらった懐剣で喉をついて死んだ、という嘘の記事が出回る。
攘夷女郎とに祭り上げられた亀遊の話を聞こうと岩亀楼にはたくさんの客が訪れるが…。




実はこの演目2回見てたりする。

何度見ても面白い。

そもそもかわら版は亀遊が自殺したこと以外ほとんど嘘なんだよね。

お園も最初はそうじゃないんです、違うんですよ、と訂正するが、
岩亀楼の主人に客商売なんだから客を喜ばせないと、と言われどんどん話がかわら版の通りになってゆく。

町医者の娘から武士の娘になり、
カミソリで死んだのではなく懐剣となり、
読み書きができないのに遺書や辞世の句を残したとか。

また亀遊は長らく病気だったため行灯部屋にいたけれど、
「こんなに立派な人を行灯部屋に入れていたのか!?」
と激昂する客もいて、急遽大広間が亀遊の部屋になったり。

最後の幕が上がった時には

烈女亀勇自決の間

とか書いてあって笑える。


お園も初めは客の質問に答えるカンジだったが、この頃には芝居仕立てになっていて、それがまた笑える。




でも、事実がねじ曲げられることなんていっぱいあるよねー。

ニュースにしても書き手の主観が入るかもしれないし、週刊誌のネタは嘘もフツーに書いているだろうし。

ネット便利だけど嘘流してる人もたくさんいるだろうし、アンチとかもうざいよね。


客って言うのは現実なんか見たくなくて、自分が描く理想のビジョンしか見たくないから。
でも、まぁ、遊郭だし夢を売るのが商売と言えばそーなんだけど。




藤吉は亀遊と恋仲だったのでお園は、
「何であの時駆け落ちしなかったのか?」
と責めたが、藤吉はアメリカに行って医者になるという志があるし、それを捨ててまでいっしょになってもうれしくないと言うか…。

亀遊は病身の自分を世話してもらったので恩返しがしたいが、
「唐人口の遊女には絶対なりたくない」
と言っていた。

亀遊が攘夷女郎となったことで藤吉は、
「自分が亀遊を死なせてしまったのでは?」
という自責の念から解放されアメリカへと旅立っていった。

亀遊は期せずして藤吉に恩返しできたのではないかな?



その分お園さんがひどい目に遭ったという話なんだけどね(笑)



玉三郎よかったなぁ💕



自分も2回も見れてよかった。

機会があればまたやって欲しいけど無理かなぁ…💦



露をだに 
いとふ倭の 女郎花 
ふるあめりかに 
袖はぬらさじ