「手指(しゅし)」と「手指(てゆび)」 |  ときしらずのブログ◎迂闊な話         

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先日、Yahoo! JAPANの広告欄に出ていた、新型コロナウイルス感染対策の  ‟「手洗い」と「手指の消毒」”  という語句が目に留まりました。熊本県の『くまモンと「新しい生活様式」を実践しよう』というキャンペーンでした。「手洗い」「手指」「消毒」はルビ付きで、その中の「手指」に振ってあった「てゆび」というルビが気になりました。

 

「手指」の読み方は「しゅし」ではなかったか。辞典を開いてみると果たして、「しゅし」でした〔『広辞苑』、『デジタル大辞泉』、『明鏡国語辞典』、『国語大辞典』 など〕。

『広辞苑』第七版

しゅし【手指】

手のゆび。

⇒しゅしもん【手指紋】

 

‟熟語における音読み〔漢語〕の箇所を訓読み〔和語〕にすること” を「和語への転換」として、私はこれまで幾つかの熟語を取り上げています。

「裏面」〔めん ⇒ うらめん〕

「肉汁」〔にくじゅう ⇒ にくじる

「代替」〔だいたい ⇒ だいがえ〕 など

この現象は、音読み〔漢語〕より訓読み〔和語〕の方が ‟耳にして、意味が分かり易いから” ではないか、といったことなどを推測しています。「裏面」を例にとれば、元来の「りめん」という読み方を知っているかどうかということは関係ないでしょう。

 

上記により、「手指〔しゅしてゆび〕は、「和語への転換」という現象の一つだろう、と思う次第です。

 

ついでながら、「目鼻」は、もともと訓読み「めはな」です。音読みの「足趾(そくし)」、「耳目(じもく)」などは、これからどうなるでしょう。…

 

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『感染対策のあいことばは く・ま・も・と・け・ん』の「と」の項のポスターデータは以下のようになっています〔熊本県ホームページ、2023/3/13更新〕。デザインの改変はしないことを条件に自由に使用してよいということなので、転載させていだだきました。

 

手洗い・手指の消毒ポスター

 

ここにポスターの画像を転載させて頂いたはずなのですが、何故か消えていることを本日発見しました。取り敢えずこのままにしたいと思います。御了解の程、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年6月16日

 

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「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない  宮沢賢治」